私が北海道に移り住んだのは平成5年のことです。当初はいろいろと戸惑いもありましたが、いまや、雪のある生活やちょっと遅めのお花見にも慣れ、私なりに北海道生活を満喫してきました。
 しかし、北海道におけるビジネスの状況に目を向けると本当に厳しい状況が続いています。北海道拓殖銀行がなくなり北海道開発庁もなくなり、私たちは突き放され自立することを求められています。北海道はどうなってしまうのでしょうか。

 北海道に移り住んだ翌年の平成6年から、北海道への移住を支援する「NPO法人・私設北海道開拓使の会」の事務局として北海道への人材誘致に関わってきました。また、平成12年からは「札幌BizCafe」の事務局としてサッポロバレーのPRとIT・ベンチャーの支援に携わってきました。
 この2つのプロジェクトを通じて、道内外の数多くの人々に出会いました。北海道で夢を実現するために様々な障害を乗り越えようと努力している人たち、自らの技術やビジネスプランが世の中を動かすと信じ起業の成功に向け日夜邁進している人たち。力強い精神力の持ち主たちに接するにつれ、こういう人たちがいれば北海道の将来を悲観することは全然ない、それだけでなく私も北海道の将来に何か役にたてることはないか、とこの数年来ずっと考えさせられていました。

そして、たどり着いたものが「人材を通じた北海道の活性化」です。私がこれまでに経験してきたことを活かし、3つの領域で事業を推進するべく「太田明子ビジネス工房」を立ち上げました。
  

 

    

事業領域の一つめは「人材の誘致」です。いま北海道には優秀な人材が集まりつつあります。これまでは北海道に限らず全国各地において優秀な人材ほど東京に出ることを目ざしてきました。これからは地方の時代です。北海道から流出した優秀な人材を北海道に呼び戻したい、それだけでなく北海道の将来性を信じてくれるIターン人材をもっと呼び込みたい。
二つめは「人材の教育」です。人を教える、というとおこがましいですが、人は自ら学んで成長しようという意欲を持っています。その意欲の後押しができたらなあと考えています。

三つめ、そしても最も重要なのが、人と人との関係づくりです。どんな人でも一人では何もできません。人は人に助けられて育っていきます。そのようにして育った人は次の世代に快く手を差し伸べてあげます。開拓使の会や札幌BizCafeでの活動を通じて、そのような事例を数多く見てきました。

そして私は、その活動の場としてビジネスの場を選びました。政治や文化あるいは教育はともかくとして、北海道では官依存体質などビジネスの場における甘えや後進性がよく指摘されます。北海道が自立していくためには経済力をつけることが重要であり、そのためにはまず北海道のビジネスが変わっていくべきと考えます。

「太田明子ビジネス工房」は「人材」および「人と人との関わり」に関する事業を通じて、少々格好をつけて言うならば、その成果が北海道の活性化につながれば、と思っています。
 すべて中央(東京)が悪く地方(北海道)がよいと言うつもりはありません。他所を見習うべきことはたくさんあります。でも、北海道はもともと、開拓の地としてフロンティアスピリット、ベンチャーマインドに溢れた人材が集まってきて、その人たちが北海道の基礎を築いてくれました。それがいつのまにか、官依存体質が染み付き、中央(東京)からはお荷物扱いされるまでになってしまいました。そのことはとても残念です。北海道に活力を取り戻し、他所と対等に渡り合える、そんな地域づくりにビジネスを通じて貢献できたらとの思いから無謀にも起業した次第です。

 何年も前、北海道に移り住んで誰も知り合いがいなかった私が、この個人事務所を設立するまでになれたのは、何も知らなかった私に自分のことはさしおいてでも教えてくださったり、いろいろと人を紹介してださった、北海道に住んでいる先輩の皆さんのおかげでした。
 皆さんには今の力不足の私ではお返しできないほどお世話になっています。その皆さんへの恩返しは、自分が北海道のためにがんばることによってかなうと信じています。こんな私の思いをご理解ご協力くださる方がいてくだされば幸いです。