基本情報技術者試験の法律知識:著作権法/不正アクセス禁止法
ITを活用するうえで欠かせない法的知識として、「著作権法」と「不正アクセス禁止法」があります。
情報の取り扱いやシステムの利用に関して、ルールと責任を理解することは、技術者にとっても重要なことです。
著作権法とは?
- 創作された著作物(文章・音楽・画像・プログラムなど)に関する権利を保護する法律
- 著作者の人格権や、著作物を利用する権利(財産権)を保障
- 著作物は創作した時点で自動的に保護対象となる(登録不要)
主な権利の種類
- 著作者人格権: 氏名表示権・同一性保持権 など
- 著作財産権: 複製権・上映権・公衆送信権・翻案権 など
著作権の保護期間
- 原則として、著作者の死後70年間
- 法人著作物や映画などは公表後70年間(令和改正以降)
試験で問われやすい内容
- プログラム・Webページ・画像なども著作物に該当
- 「私的使用の範囲」以外のコピーや配布は原則NG
- 引用や教育利用など、例外規定も存在する
不正アクセス禁止法とは?
- 他人のIDやパスワードを使って、不正にシステムへアクセスする行為を禁止する法律
- 正式名称は「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」
- 技術的・組織的な対策だけでなく、法的な抑止力としての役割がある
不正アクセス行為の例
- 他人のID・パスワードを無断使用してログインする
- 脆弱性を突いて制限のあるページに侵入する
- フィッシングやクラッキングにより認証情報を盗む
関連する禁止事項
- ID・パスワードの不正取得や第三者への提供も禁止
- 不正アクセスを助長・教唆する行為も処罰対象
基本情報技術者試験での出題ポイント
- 著作権の対象とされるもの/されないもの
- 私的使用・引用の要件などの例外規定
- 不正アクセスの具体的行為と禁止の範囲
- 両法の目的・保護対象の違いを区別する
学習のコツ
- 「どんな情報・行為が保護・禁止されているか?」を具体的に想像
- 著作物の例と非該当例(アイデア・手法など)を整理して覚える
- 違反した場合のリスク(刑事罰・損害賠償)もイメージしておく
まとめ
- 著作権法: 創作物の権利を保護し、不正利用を制限
- 不正アクセス禁止法: 他人の認証情報を使った侵入行為などを禁止
- ITの健全な利用には、技術と法律の両面からの理解が重要
基本情報技術者試験では、これらの法律を単なる知識としてではなく、現場での実践と結びつけて理解しているかが問われます。
セキュリティ意識と法的責任を意識しながら、条文だけでなくケーススタディでも学んでおきましょう。