Pythonの継承（Inheritance）とは？親クラスから機能を受け継ぐしくみを解説

継承（Inheritance）とは、あるクラス（親クラス）の機能や性質を、別のクラス（子クラス）が引き継いで使えるようにする仕組みです。 Pythonでは、コードの再利用性を高め、効率よくプログラムを設計するために使われます。

継承の基本構文

class 親クラス名:
    # 共通の属性やメソッド

class 子クラス名(親クラス名):
    # 追加や変更の内容

例：Animalクラスを継承したDogクラス

class Animal:
    def __init__(self, name):
        self.name = name

    def speak(self):
        print(f"{self.name}が鳴きました。")

class Dog(Animal):
    def bark(self):
        print(f"{self.name}がワンと鳴いた！")

子クラスのインスタンスを使う

d = Dog("ポチ")
d.speak()  # → ポチが鳴きました。
d.bark()   # → ポチがワンと鳴いた！

Dog クラスは Animal クラスの機能をそのまま使うことができます。

コンストラクタの継承と super()

子クラスで __init__() を独自に定義したいときは、super() を使って親の初期化処理を呼び出すのが一般的です。

class Cat(Animal):
    def __init__(self, name, color):
        super().__init__(name)
        self.color = color

super() により、親クラスのコンストラクタが適切に実行されるようになります。

メソッドのオーバーライド（上書き）

親クラスと同じ名前のメソッドを子クラスで定義すると、そのメソッドを上書き（オーバーライド）できます。

class Bird(Animal):
    def speak(self):
        print(f"{self.name}がチュンチュン鳴いた！")

b = Bird("すずめ")
b.speak()  # → すずめがチュンチュン鳴いた！

継承のメリット

• 共通の機能をまとめて管理できる
• コードの重複を減らせる
• 修正や拡張がしやすくなる

多重継承（必要なときだけ）

class A:
    pass

class B:
    pass

class C(A, B):
    pass

Pythonでは複数の親クラスを継承することも可能ですが、使いすぎには注意が必要です。

まとめ

Pythonの継承（Inheritance）は、クラスの共通機能を引き継ぎながら、新しい機能を追加したり、必要に応じて変更したりするための仕組みです。 super() を使った初期化や、オーバーライドによる柔軟な振る舞いの変更にも対応できます。

まずは基本的な親子関係を作ってみて、クラスの再利用性や拡張性の高さを体感してみましょう！