既存のクラスを引き継ぐ「継承（Inheritance）」とは？

C#の継承（Inheritance）とは、あるクラスの機能（プロパティやメソッドなど）を別のクラスが引き継いで再利用できる仕組みです。
オブジェクト指向の3大要素のひとつであり、コードの再利用性や保守性を高めるために重要です。

継承の基本構文

class 子クラス名 : 親クラス名 {
    // 子クラス独自の定義
}
    

例：Animalクラスを継承してDogクラスを作る

public class Animal {
    public void Breathe() {
        Console.WriteLine("呼吸する");
    }
}

public class Dog : Animal {
    public void Bark() {
        Console.WriteLine("ワンワン！");
    }
}
    

Dog dog = new Dog();
dog.Breathe();  // 親クラスのメソッドを使える
dog.Bark();     // 自分自身のメソッド
    

継承のポイント

• 親クラス（基底クラス / Base Class）：共通の機能をまとめる
• 子クラス（派生クラス / Derived Class）：親の機能を引き継ぎつつ、拡張する
• C#では単一継承のみ（親は1つ）

オーバーライド（Override）で振る舞いを上書き

子クラスで、親クラスのメソッドを上書きしたいときは、virtual（親）＋ override（子）を使います。

public class Animal {
    public virtual void Speak() {
        Console.WriteLine("何かが鳴く");
    }
}

public class Cat : Animal {
    public override void Speak() {
        Console.WriteLine("ニャー");
    }
}
    

baseキーワード

base キーワードを使うと、親クラスのメソッドやコンストラクタにアクセスできます。

public class Animal {
    public Animal(string name) {
        Console.WriteLine(name + "が生まれた");
    }
}

public class Bird : Animal {
    public Bird() : base("インコ") { }
}
    

sealedキーワードで継承禁止

public sealed class FinalClass {
    // このクラスは継承できない
}
    

まとめ

継承（Inheritance）は、既存のクラス（親）から新しいクラス（子）を作り、機能を引き継いだり、追加・変更したりできる仕組みです。
C#では:記号を使って継承を表現し、baseやoverrideを活用して、効率的かつ柔軟なコードが書けるようになります。