Accessの構造設計:リレーションシップ(関係)とは?
リレーションシップ(関係)とは、Accessにおいて複数のテーブル間の関連性を定義する仕組みです。
正しいリレーションシップを設定することで、重複のないデータ管理や効率的なデータ集計・抽出が可能になります。
なぜリレーションシップが必要か?
- 1つのテーブルにすべての情報を詰め込むと、重複や冗長なデータが増える
- 情報を分割してテーブルごとに管理し、必要に応じて結びつけることで、データの整合性と効率が保たれる
主なリレーションの種類
- 1対多(1:N)関係: 最も一般的な関係。例:1人の顧客が複数の注文を持つ
- 1対1(1:1)関係: 特別な管理項目がある場合に使用
- 多対多(N:N)関係: 中間テーブル(交差テーブル)を用いて実現
例:顧客と注文のリレーション
顧客テーブル(主キー:顧客ID)と、注文テーブル(外部キー:顧客ID)の間に「1対多」の関係を作成。
- 1人の顧客に対して複数の注文が対応
- 注文テーブルの「顧客ID」は、顧客テーブルの「顧客ID」を参照
リレーションシップの作成方法
- [データベースツール]タブ → [リレーションシップ] をクリック
- 関連付けたいテーブルを追加
- 主キーから外部キーへドラッグして関係を作成
- 「参照整合性を有効にする」にチェックを入れて [作成]
参照整合性とは?
- 外部キーの値が必ず主キーの値と一致していることを保証
- 誤ったデータ入力(存在しないIDの登録など)を防止
- 「カスケード更新・削除」設定により、連動処理も可能
リレーションシップビューの活用
- テーブル間のつながりを視覚的に確認・編集できる
- 関係線をダブルクリックすることで、詳細設定(参照整合性・カスケード)が可能
注意点
- リレーションが未設定のままだと、不整合なデータ(例:存在しないID)が入力される恐れあり
- 設計変更時には、リレーションの見直しが必要
- リレーションが循環していると、集計や更新時にエラーが発生することがある
まとめ
- リレーションシップ: テーブル同士のつながりを定義する仕組み
- 主キーと外部キーを使って「1対多」などの関係を作る
- 正しい関係性の設計が、使いやすく壊れにくいデータベースの鍵となる
Accessで複数のテーブルを活用する場合、リレーションシップの設計は最重要事項のひとつです。
適切な関係づけにより、効率的なデータ管理・検索・集計が可能になります。