Excelのセキュリティ機能:シート保護/ブック保護とは?
シート保護/ブック保護とは、Excelファイル内のデータや構造を誤操作や不正な編集から守るためのセキュリティ機能です。
それぞれの機能を使うことで、入力セルの制限・数式の保護・シート構成の固定などが実現できます。
1. シート保護とは?
シート保護は、ワークシート(1枚のシート)内でのセル編集や操作を制限する機能です。
主な保護対象
- セルの編集
- 数式の変更
- 行・列の挿入・削除
- 図形・グラフの移動や編集
設定手順
- 保護をかけたいシートを開く
- [校閲]タブ → [シートの保護] をクリック
- オプションで許可する操作を選択(例:ロックされていないセルの選択)
- 必要に応じてパスワードを設定(解除時にも使用)
ロックされていないセルだけ編集可能にする方法
- 保護をかける前に、[セルの書式設定] → [保護]タブ →「ロック」チェックを外す
- その後にシート保護をかけると、該当セルだけ編集可能
2. ブック保護とは?
ブック保護は、Excelファイル全体に対して、シートの追加・削除・移動などの操作を制限する機能です。
主な保護対象
- シートの表示/非表示
- シートの並べ替えや削除
- ウィンドウサイズや位置の変更(オプション設定)
設定手順
- [校閲]タブ → [ブックの保護] をクリック
- 「構成の保護」にチェックを入れる
- 必要に応じてパスワードを設定
シート保護とブック保護の違い
項目 |
シート保護 |
ブック保護 |
主な対象 |
セルや操作の制限 |
シート構造の保護 |
制限例 |
編集・削除・数式変更 |
シート追加・削除・移動 |
パスワード |
任意設定可 |
任意設定可 |
注意点
- パスワードを設定した場合は忘れないように注意(復元不可)
- VBAから保護・解除を制御することも可能
- 完全なセキュリティではなく、簡易的な保護手段と捉える
まとめ
- シート保護: セルの編集や操作を制限
- ブック保護: シート構造やウィンドウの変更を制限
- どちらも誤操作防止・データ保全に有効な機能
Excelの「保護」機能は、業務での表計算ファイルや申請書類などの操作ミス・意図しない編集を防ぐために非常に有効です。
適切に使い分けることで、作業の正確性と安心感が大きく向上します。