C言語の裏側で活躍する「プリプロセッサ（#include, #ifdef など）」とは？
C言語では、ソースコードがコンパイルされる前に「プリプロセッサ（preprocessor）」と呼ばれる処理が行われます。
そのときに使われる命令が #include や #define、#ifdef などのプリプロセッサディレクティブです。
プリプロセッサとは？
プリプロセッサは、C言語のソースコードがコンパイルされる前に実行される処理です。
ファイルの読み込み・マクロ定義・条件付きコンパイルなど、コードの整理や柔軟性向上に役立ちます。
よく使うプリプロセッサディレクティブ
@ #include：ヘッダファイルの読み込み
#include <stdio.h> // 標準ライブラリ
#include "myfile.h" // 自作ヘッダファイル
他のファイルの内容をその場に埋め込むように読み込みます。
<> は標準ライブラリ、"" はユーザー定義ファイルです。
A #define：マクロの定義
#define PI 3.14159
#define MAX(a, b) ((a) > (b) ? (a) : (b))
PI や MAX のような置換ルールを定義します。
B #ifdef / #ifndef / #endif：条件付きコンパイル
#define DEBUG
#ifdef DEBUG
printf("デバッグモードです\n");
#endif
定義されているかどうかでコードの実行を分けることができます。
#ifndef（if not defined）で未定義時の処理も制御可能です。
C #if / #else / #elif / #endif：マクロを使った条件分岐
#define VERSION 2
#if VERSION == 1
printf("バージョン1です\n");
#elif VERSION == 2
printf("バージョン2です\n");
#else
printf("未対応のバージョンです\n");
#endif
ヘッダファイルの多重読み込み防止（インクルードガード）
#ifndef MYHEADER_H
#define MYHEADER_H
// ヘッダの中身
#endif
ヘッダファイルが複数回読み込まれても問題が起きないようにするテクニックです。
プリプロセッサのポイント
- 実行時ではなくコンパイル前に処理される
#から始まる特別な命令- ファイルの構成や切り替えに便利
- 複雑になりすぎると読みにくくなるので注意
まとめ
プリプロセッサは、ソースコードを整理・切り替え・共通化するための重要な仕組みです。
#include、#define、#ifdef などの使い方を知っておくと、
複数ファイルの管理や開発モードの切り替えがとてもスマートに行えるようになります！
