Rubyの例外処理（Exception Handling）とは？エラー発生時の安全な対処法

Rubyでは、実行中に発生する予期せぬエラー（例外）を安全に処理するために、例外処理の仕組みが用意されています。 これにより、プログラムの強制終了を防ぎ、エラーメッセージを制御できます。

基本構文：begin 〜 rescue

begin
  # エラーが起こるかもしれない処理
  num = 10 / 0
rescue ZeroDivisionError => e
  puts "0で割ることはできません！"
  puts "エラー内容：#{e.message}"
end

rescue では、発生した例外の種類（この例では ZeroDivisionError）を指定し、その例外に対する処理を行います。

複数の例外を扱う

begin
  raise IOError.new("ファイルが見つかりません")
rescue ZeroDivisionError
  puts "ゼロ割りエラー"
rescue IOError => e
  puts "IOエラー：#{e.message}"
rescue => e
  puts "その他のエラー：#{e.class}"
end

複数の例外を rescue で分岐して処理できます。 rescue => e は、すべての例外のキャッチに使える便利な書き方です。

ensure 節：後始末の処理

begin
  puts "処理を開始します"
  raise "エラー発生！"
rescue
  puts "エラーを処理しました"
ensure
  puts "後始末を行います"
end

ensure 節は、例外の有無に関わらず必ず実行される部分です。 ファイルのクローズ処理や接続の切断などに使われます。

raise で例外を発生させる

def divide(a, b)
  raise ArgumentError, "0で割ることはできません" if b == 0
  a / b
end

begin
  puts divide(10, 0)
rescue => e
  puts "エラー：#{e.message}"
end

raise を使えば、自分で例外を発生させることもできます。 主に不正な引数や状態が検出された場合に使います。

rescue 修飾子の省略記法

value = Integer("abc") rescue 0
puts value  # → 0

簡単な処理なら、rescue を後ろに付ける省略記法が便利です。

標準の例外クラス

• StandardError（多くの例外の親）
• RuntimeError（一般的なエラー）
• ArgumentError（引数に関するエラー）
• ZeroDivisionError（0割）
• IOError（入出力関連）

必要に応じて、独自の例外クラスを定義することも可能です。

まとめ

Rubyの例外処理（Exception Handling）は、予期しないエラーに安全に対応するための仕組みです。 begin-rescue を使って、プログラムの安定性と信頼性を高めましょう。

ensure で後始末、raise で意図的にエラー発生、rescue で個別対応など、例外処理を正しく使い分けることが大切です。