共通の土台を定義する「抽象クラス（Abstract Class）」とは？

Javaのオブジェクト指向では、クラスを継承して機能を共有することができます。
その中でも抽象クラス（abstract class）は、共通処理と未定義の処理の両方を持てる特別なクラスです。

抽象クラスとは？

抽象クラスとは、インスタンス化できないクラスで、
一部のメソッドだけ名前だけを定義して中身を実装しない（抽象メソッド）という構造を持ちます。
主に複数のクラスに共通する機能の土台として使われます。

抽象クラスの構文

abstract class クラス名 {
    // 通常のメソッド（共通処理）
    void メソッドA() { ... }

    // 抽象メソッド（処理は継承先で定義）
    abstract void メソッドB();
}
    

例：Animal 抽象クラス

abstract class Animal {
    public void sleep() {
        System.out.println("眠ります。");
    }

    public abstract void makeSound();  // 抽象メソッド
}
    

継承して使う

class Dog extends Animal {
    @Override
    public void makeSound() {
        System.out.println("ワンワン！");
    }
}
    

実行例

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Animal dog = new Dog();
        dog.sleep();       // 共通処理（親クラス）
        dog.makeSound();   // 個別処理（子クラス）
    }
}
    

抽象クラスの特徴

• インスタンス化できない（newはできない）
• 抽象メソッドを1つでも持つと、そのクラスはabstractにする必要がある
• 共通処理と未定義の処理を両方持てる

抽象クラスとインターフェースの違い

まとめ

抽象クラス（Abstract Class）は、共通処理と抽象的な定義を組み合わせた土台クラスです。
共通する機能は親クラスにまとめ、具体的な処理は子クラスで実装することで、柔軟な設計が可能になります。
インターフェースと使い分けながら、より理解を深めていきましょう！