応用情報技術者試験の工程管理:クリティカルパスとは?
クリティカルパス(Critical Path)とは、プロジェクトの開始から終了までの中で最も時間のかかる作業経路を指します。
このパス上の作業が1つでも遅れると、プロジェクト全体の遅延につながるため、特に注意して管理すべき経路です。
クリティカルパスの特徴
- 全体の所要期間を決定づける作業の連なり
- この経路上の作業にはスラック(余裕時間)がない
- 遅延=プロジェクトの遅延となるため、最優先で管理・監視が必要
クリティカルパスを特定する目的
- プロジェクトの完了日を正確に把握する
- 重点的に監視・調整すべき作業を明確にする
- スケジュール短縮時のボトルネック作業を見つける
クリティカルパスの求め方(基本手順)
- 作業とその依存関係を整理し、アローダイアグラム(PERT図)を作成
- 各作業の所要時間を記入し、最早開始時刻(ES)と最早終了時刻(EF)を順方向に計算
- 続けて、最遅開始時刻(LS)と最遅終了時刻(LF)を逆方向に計算
- ES = LS かつ EF = LF となる作業をたどると、それがクリティカルパス
スラック(余裕時間)とは?
スラックとは、作業を遅らせてもプロジェクト全体に影響を与えない許容時間のことです。
スラックが0の作業は、クリティカルパス上にあると判断できます。
クリティカルパスと他の管理技法の関係
- アローダイアグラム法(PERT): 作業の順序と所要時間からクリティカルパスを算出
- ガントチャート: クリティカルパスの視覚化や進捗確認に利用
応用情報技術者試験での出題ポイント
- クリティカルパスの定義と特性
- スラックの計算方法
- アローダイアグラムを用いたクリティカルパスの特定
- スケジュール遅延時の影響範囲の判断
学習のコツ
- 小規模なアローダイアグラムを手書きして、実際に経路をたどってみる
- スラックの有無でクリティカルパス上の作業を見極める
- 複数経路がある場合でも、最長のもの=クリティカルパスであることを忘れない
まとめ
- クリティカルパス: プロジェクト完了に直結する最も時間のかかる作業経路
- この経路上の遅延は、全体の遅延に直結する
- 試験では、計算問題・図の読み取り・スラック判断が頻出
クリティカルパスは、プロジェクトスケジュール管理の要となる考え方です。
応用情報技術者試験では、実際の図やスケジュール表をもとにした問題が多く出題されるため、手を動かして考える練習が理解への近道です。